設計に関しては、複雑なシステムである冷凍システムが、実際にどのように機能しているかを実機において測定する手法とその実測例が紹介され、また、各モニタリング手法の得失について解説がなされた。そして、潤滑の最も厳しいローリングピストン型の圧縮機では、混合潤滑状態になっていることが示された。これらの知見を設計に生かし、対策を講じるためには、冷媒の存在下での混合潤滑のモデルを構築し、それを実機の摺動部のモデルに適用する必要があることにより、最近開発された混合潤滑モデルと、それによる計算例が示され、その結果は冷媒の存在下での極めて複雑な実機の挙動とよい相関があることが述べられた。そして、解析モデルの精度向上には薄膜の物性等各種データ類を集める必要性が指摘された。設計解析の具体例として、薄くなった油膜や潤滑不良に対応するための、実機の軸受モデル構築例と、それを用いて行った軸受部肉厚低減によるソフトEHL実現に有効な設計パラメータ探索の例が紹介された。